新着情報

鳥羽水族館 トップページ > イベント・新着情報 > アカヒトデシダムシが新種と判明しました!


アカヒトデシダムシが新種と判明しました!

2020年07月14日(火)

 鳥羽水族館の学芸員が採集した甲殻類の仲間シダムシが新種であるということが、広島大学大学院統合生命科学研究科の吉本明香里(よしもと あかり)大学院生らの研究グループの共同研究により明らかになりました。

 このシダムシは1931年にアカヒトデの体腔内から見つかっていましたが、今日までの約90年間、他のヒトデに寄生する別種のシダムシと同種であると考えられ、分類学的な整理はなされていませんでした。今回、当館の学芸員が志摩半島で採集した個体を含む複数のアカヒトデシダムシを広島大学の研究グループと精査したところ、これまで知られていた種とは異なる特徴を持つ未知の種であることが判明しました。

 本種は体の一部が宿主の体壁に癒着するという他に見られない特徴を持つことから、学名は「癒着しているシダムシ」という意味のDendrogaster adhaerensとなりました(和名はアカヒトデシダムシ)。論文は2020年7月7日付けでThe Crustacean Societyが発行する専門誌Journal of Crustacean Biologyのウェブサイトで先行公開されました。

 現在、水族館では宿主への寄生の影響やシダムシの生殖様式の解明のため、寄生を受けたアカヒトデの飼育をおこなっています。これらにより、未だほとんど理解されていないシダムシ類の生活環の解明を目指します。

【今回報告された新種のシダムシ】
・アカヒトデシダムシDendrogaster adhaerens(デンドロガステル アドハイレンス)
・幅 41㎜ (三重県 志摩市御座の採集個体)

※現在、水族館で生体の展示は行っておりませんが、7月14日(火)よりKコーナー「へんな生きもの研究所」にて標本を一般公開しております。

シダムシとは

節足動物門 甲殻亜門 嚢胸下綱 シダムシ目に属する海産動物の総称。広い意味ではフジツボ類と近縁である。本種を含めて世界から35種(うち日本からは9種)が報告されており、いくつかの未記録種も発見されている。そのすべてがヒトデの体腔内から発見されている寄生生物である。樹状に広がる外套を持つのはメス個体で樹状の体の内部に多数の卵を充満させる。オスは矮雄でメスの外套の中に潜む。