新着情報

鳥羽水族館 トップページ > イベント・新着情報 > 熊野灘で採集されたヨコエビが新種と判明しました!


熊野灘で採集されたヨコエビが新種と判明しました!

2020年06月09日(火)

 

 このたび、鳥羽水族館の学芸員が熊野灘の深海から採集したヨコエビが、新種であることが判明しました。

 ヨコエビは大きくはエビ・カニと同じ甲殻類の仲間ですが、厳密にはエビよりダンゴムシに近い種です。今回チンボクヨコエビと和名の付いた本種は、鳥羽水族館が定期的におこなっている熊野灘の沖合底曳網採集で水深330-400mで採集した沈木の中から見つかっており、これまでに2015年9月に3個体、2019年2月に6個体の計9個体を採集しました。

 発見した当館の学芸員が知り合いのヨコエビ研究者である有山啓之(ありやま ひろゆき)氏(大阪市立自然史博物館)に標本を送り確認してもらったところ、本種はこれまでに分類学的記載がおこなわれていない未記載種であり、Bathyceradocus属のヨコエビであることが判明しました。本種は、有山さんとの共同研究として論文に新種記載し、6月4日に日本甲殻類学会の国際誌:Crustacean Research 49のweb 版に公開されました。

 鳥羽水族館は2013年から熊野灘の漸深海帯(200m 以深)の生物採集・調査をおこなっており、大学等に所属する複数の研究者と連携して熊野灘に生息する無脊椎動物の新種記載を進めています。
担当者は、「熊野灘の深海に暮らす生きものの多様性がさらに裏付けられた。引き続き精力的に調査していきたい。」と話しております。

 Bathyceradocus属のヨコエビはこれまでに世界では4種が報告されており、いずれも深海底の沈木の中から見つかっています。
Bathyceradocus stephenseni  インドネシア・スラウェシ島沖など 水深1165 m-1264 m
B. iberiensis  スペイン沖 水深5315-5325m
B. wuzzae  バンクーバー島沖 水深2656 m
B. hawkingi  千島-カムチャツカ海溝 水深5217–5229 m
今回、記載されたチンボクヨコエビはBathyceradocus属の中で一番浅い水深(330-400m)で確認された種類になります。


【今回新種と判明したヨコエビ】

・チンボクヨコエビ(Bathyceradocus japonicus
 体長:13.7mm~17.5mm

※現在、水族館で生体の展示は行っておりませんが、6月9日(火)よりKコーナー「へんな生きもの研究所」にて標本を一般公開しております。

ヨコエビとは

ヨコエビはエビやカニと同じ節足動物の仲間で、端脚目(たんきゃくもく)に含まれる小型甲殻類(エビよりもダンゴムシに近縁)。潮間帯など浅い海から深海まで生息し、河川や湖沼などの淡水環境にも見られる。さらに、砂浜や内陸の森林土壌のような内陸環境に進出したグループもいるなど種の多様性が非常に高い。全世界から9000種以上、日本からは400種以上が報告されている。