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~新種の学名に“トバスイ”~
      熊野灘からシダムシの新種を2種発見!

2020年02月20日(木)

 シダムシは名前の通り見た目が植物の「シダ」に似た、エビやカニと同じ節足動物(せっそくどうぶつ)の仲間で、すべての種類がヒトデの内部に寄生することが知られています(身近な生物ではフジツボが近縁)。これまでに世界から31種が知られ、日本からは5種が報告されていますが、このたび鳥羽水族館の学芸員が、熊野灘から2種のシダムシを発見しました。日本から見つかったシダムシの新種記載はおよそ90年ぶりになります。
 発見されたシダムシは、鳥羽水族館が定期的におこなっている熊野灘の水深200-436mから沖合底曳網で採集した3種のヒトデ(ユミヘリゴカクヒトデ、ウデナガゴカクヒトデ、ヤマトイシダタミヒトデ)の体内から見つかったシダムシ科のシダムシ2種です。
 
 シダムシを発見した当館の学芸員が知り合いの甲殻類研究者である齋藤暢宏(サイトウ ノブヒロ)氏、若林香織(ワカバヤシ カオリ)氏に標本を送り確認してもらったところ、2種ともに、学術論文などで正式に分類学的記載がおこなわれていない未記載種であることが判明しました(本論文では、若林氏が東シナ海で採集した別のシダムシ1種を含む3種が新種記載されています)。今回、齋藤さん若林さんとの共同研究として、ヒトデの内部に寄生するシダムシの3新種を論文で報告し、2月15日に日本動物分類学会の機関誌:Species Diversity 25: 75-87のweb版に公開されました。
 
 鳥羽水族館は2013年から熊野灘の漸深海帯(200m以深)の生物採集・調査をおこなっており、大学等に所属する複数の研究者と連携してこれまでに10種の無脊椎動物の新種を記載しました。この取り組みを表して、今回見つかったユミヘリゴカクノシダムシの学名に鳥羽水族館(トバスイ)の名前が付けられました(Dendrogaster tobasuii)。
 
 

【今回報告された熊野灘のシダムシ2種】
ヤマトイシダタミノシダムシ
 (Dendrogaster komatsuae:デンドロガステル コマツアエ)幅46.3㎜
ユミヘリゴカクノシダムシ
 (Dendrogaster tobasuii:デンドロガステル トバスイイ)幅4.0 – 66.7㎜

※2月20日(木)から館内Kコーナー「へんな生きもの研究所」でユミヘリゴカクノシダムシの標本を展示しています。

 
【シダムシとは】
節足動物門 甲殻亜門 嚢胸下綱 シダムシ目に属する海産動物の総称。広い意味ではフジツボ類と近縁である。世界から31種、日本から5種が報告されており、いくつかの未記録種も発見されている。そのすべてがヒトデの体腔内から発見されている寄生生物である。樹状に広がる外套を持つのはメス個体で樹状の体の内部に多数の卵を充満させる。オスは矮雄でメスの外套の中に潜む。


ユミヘリゴカクヒトデ


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