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飼育していたスナギンチャクが新種と判明しました!

2019年12月17日(火)

 

 2014年1月~2016年4月までの2年間、鳥羽水族館の「へんな生きもの研究所」で飼育していたスナギンチャクが新種であることが、琉球大学大学院理工学研究科海洋環境学専攻の喜瀬浩輝(きせ ひろき:27歳)大学院生らの研究グループによって明らかになりました。

 このスナギンチャクはヤドカリの仲間のイイジマオキヤドカリに共生する種で、これまで日本国内の水族館で稀に飼育されることがありましたが、採集例が少ないこともあり、今まで種類が特定されていませんでした。

 このたび、2014年1月24日に熊野灘で採集し、水族館で飼育していた個体について琉球大学の研究グループが詳細な形態観察と解析を行ったところ、これまで知られていた種とは異なる特徴を持つ未知の種であることが明らかになりました。

 本種は群体の形が映画「エイリアン」に出てくるエイリアン(作中の英語では「ゼノモーフ(Xenomorph)」に似ていたことから、Epizoanthus xenomorphoideus (エピゾアントゥス ゼノモーフォイデウス)という学名(和名はヤドカリスナギンチャク)で新種として報告され、論文は2019年12月に科学ジャーナルのSystematics and Biodiversityに掲載されました。

 本種をはじめとするヤドリスナギンチャク科の一部のスナギンチャク類は深海底に生息し、オキヤドカリ科のヤドカリ類と共生しています。
 スナギンチャクはヤドカリが背負う巻貝の上に付着し、徐々に貝殻を溶かしながら成長していきます。最終的には貝殻は溶けてなくなり、スナギンチャクがヤドカリの形に沿って形成した空洞にヤドカリが住み着くことで、ヤドカリが直接スナギンチャクの群体のみを背負う形になります。
 この共生関係についての生態学的な知見は未だ明らかになっていませんが、水族館が生体を飼育することで、これまで解明されてこなかった生態的な知見が得られることが期待されます。

※現在、ヤドカリスナギンチャクの展示はおこなっていませんが、11~1月の寒い時期に採集できる可能性もあることから、入館した際には飼育展示を始める予定です。
 12月28日より、Kコーナー:へんな生きもの研究所にて展示を始めました。

和名 ヤドカリスナギンチャク
種類 刺胞動物門 花虫綱 スナギンチャク目 ヤドリスナギンチャク科
体長 5~10cm(群体のサイズ)


 


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